今回はAzureのOpenAIについて記事にしていきます。
- 記事を作ろうと思った経緯
- Azure OpenAIモデル-バージョンの自動更新
- Azure OpenAIモデル-バージョンの変更
- Azure OpenAIモデル-デプロイについて
- 最後に
【Azure】OpenAIのGPTモデルをメンテする
記事を作ろうと思った経緯
以下のサイトなどにもある通り、ChatGPT3.5は間もなく提供終了となります。
ChatGPT3.5の提供終了と4o-miniの提供開始
そしてAzureからもOpenAIサービスの
モデル「GPT-35-turbo」バージョン「0613」
が提供終了になる旨のメールが来ました。
Azure公式情報
Azureから受け取ったメールの内容は大まかに以下でした。
- 2025年2月13日、バージョン「0613」提供終了する
- 2025年1月13日に、バージョン「0613」は「0125」へ自動的にアップグレードされる
- 自動的にアップグレードされる設定になっているか確認するように
さて、どうやって確認するのかな?
Azure OpenAIモデル-バージョンの自動更新
自動更新がどうなっているかは、以下の「バージョン更新ポリシー」を見れば確認できます。
【公式】OpenAIモデルのバージョン確認方法
【OpenAI】の【OpenAI Studio】を開いて、
左ペインにある【デプロイ】をクリックしてから、該当するモデルを選択します。
どうやらこのデプロイに関しては、自動更新してくれるようです。
このポリシーに関して公式の説明を確認すると以下の3種類がある模様です。
※Azureポータルで表示すると日本語訳されてよくわからなくなってます
ステータス | 構築時の選択 | 挙動 |
OnceNewDefaultVersionAvailable | 既定値に自動更新 | 既定バージョンが新しくなると自動更新される |
OnceCurrentVersionExpired | 有効期限が切れたときに更新 | モデルの有効期限が切れると既定バージョンへ自動更新 |
NoAutoUpgrade | 自動アップグレードなし | モデルの有効期限が切れると動作を停止 (手動でバージョン変更する) |
自動更新の設定はモデルのデプロイ時にしか選択できない?
Azureポータル(GUI)的には、モデルのデプロイ時にしか選択できないようですが、
Azure PowerShellを利用すれば後からでも変更可能です。
上のリンクにコマンドが掲載されています。自己流にアレンジしています。
// ターゲット表示
Get-AzCognitiveServicesAccountDeployment -ResourceGroupName {ResourceGroupName} -AccountName {AccountName} -Name {DeploymentName}
// ターゲットを変数へ格納
$deployment = Get-AzCognitiveServicesAccountDeployment -ResourceGroupName {ResourceGroupName} -AccountName {AccountName} -Name {DeploymentName}
// バージョン確認
$deployment.Properties.VersionUpgradeOption
モデルによってはエラーを返す場合もあるようです。
その場合はNull かどうかを判定することで、
「自動アップグレードなし」に該当することを確認できる模様。
(詳しくは公式のコマンドをご参照ください)
【公式】OpenAIモデルの操作
// 自動更新ポリシーセット ※自動更新なし
$deployment.Properties.VersionUpgradeOption = "NoAutoUpgrade"
セットするポリシーは前項の表に記載した以下3種類から選択ください。
- OnceNewDefaultVersionAvailable
- OnceCurrentVersionExpired
- NoAutoUpgrade
// 自動更新ポリシー適用
New-AzCognitiveServicesAccountDeployment -ResourceGroupName {ResourceGroupName} -AccountName {AccountName} -Name {DeploymentName} -Properties $deployment.Properties -Sku $deployment.Sku
// バージョン確認 ※変わっていることを確認
$deployment.Properties.VersionUpgradeOption
Azureポータルからは今のところ(2024年11月時点)メンテできませんが、
Cloud Shell経由で操作すれば簡単に更新できます。
パラメータの補足
上記コマンドのパラメータについて、
AccountName ってなんの? などと筆者は混乱したので補足します。
パラメータ | 説明 |
{ResourceGroupName} | 所属するリソースグループ名 |
{AccountName} | OpenAIのリソース名 |
{DeploymentName} | OpenAI Studioで作成したデプロイ名 |
Azure OpenAIモデル-バージョンの変更
これも上記の公式URLに記載されていますが、Azure PowerShellを使って変更できます。
変更対象のモデルさえあれば、Azureポータルからもポチポチ変更可能ですが、折角なので
コマンドを記述します。変数は前項で説明しているものと同じです。
// ターゲットを表示
Get-AzCognitiveServicesAccountDeployment -ResourceGroupName {ResourceGroupName} -AccountName {AccountName} -Name {DeploymentName}
// ターゲットを変数へ格納
$deployment = Get-AzCognitiveServicesAccountDeployment -ResourceGroupName {ResourceGroupName} -AccountName {AccountName} -Name {DeploymentName}
// モデルのバージョンを確認
$deployment.Properties.Model.Version
// モデルのバージョンをセット ※ここでは0125へ更新
$deployment.Properties.Model.Version = "0125"
// モデルのバージョンをアップデート
New-AzCognitiveServicesAccountDeployment -ResourceGroupName {ResourceGroupName} -AccountName {AccountName} -Name {DeploymentName} -Properties $deployment.Properties -Sku $deployment.Sku
// モデルのバージョンを確認 ※変わっていることを確認
$deployment.Properties.Model.Version
Azure OpenAIモデル-デプロイについて
世の中的にはこの「0613」から「0125」へのバージョン変更は一時しのぎであり、
GPT-35-turbo自体が提供終了の方向に向かっています。
以下表のとおり、最終的にはgpt-4o-miniへデプロイ自体の移行を
しなければならないようです。
モデル | 元バージョン | 更新バージョン | 置換開始日 | 提供終了日 |
gpt-35-turbo | 0301 | 0125 | 2025/1/13 | 2025/2/13 |
gpt-35-turbo | 0613 | 0125 | 2025/1/13 | 2025/2/13 |
gpt-35-turbo | 1106 | 0125 | 2025/1/13 | 2025/1/27 |
gpt-35-turbo | 0125 | gpt-4o-mini (デプロイ変更) | – | 2025/3/31 |
gpt-4o-mini | 2024-07-18 | 発表なし | – | 2025/7/18以降 |
gpt-4o | 2024-05-13 | 2024-08-06 | 2025/2/13 | 2025/5/20以降 |
※表の元ネタは、以下公式に記載されている一覧表(2024年11月時点)です。
最後に
いかがでしたでしょうか。
Azure OpenAIモデルのバージョン変更は、
意外と簡単に実行可能なことをお伝えしたく、記事にした次第です。
※Azure PowerShellによるメンテはデプロイが変わっても当分通用すると思います。
本記事が皆さまのご参考になれば幸いです。
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